メンズでは敬遠されていたものの、トレンドの波により無視できない存在になった「フレアパンツ」。
『フレアパンツはダサい?』
『着こなしが難しそう…』
『どんなアイテムを選べばいいのか分からない…』
今まで取り入れたことのないアイテムは、自分に似合うのかも分からずなかなか一歩を踏み出しにくいものですね。
フレアパンツの特徴や選び方、メンズのおしゃれなコーデ方法を知り、トレンドな着こなしを楽しんでください。
今回は【メンズのフレアパンツの入門】選び方から旬なコーデまで紹介します。
この記事のライター

<資格>
・ファッションデザイナー・服飾士
フレアパンツとは?
「フレアパンツ」とは、膝から裾に向かって太く広がったシルエットのパンツの総称。
参照元:https://shop-list.com/
もともとは、米国海軍の制服に取り入れられたことが発祥と言われています。
1960〜1970年代にヒッピー(社会の拘束や戦争を嫌い、自由や愛・平和を訴えたアメリカの若者を中心とした集団)よってブームとなり、ファッションアイテムとして定着。
1990年の後半から2000年にかけても流行しています。
また、「総称」というように、フレアパンツが指すアイテムは一つではなく、
- ベルボトム
- ブーツカット
- シューカット
3種類のパンツ全てにあてはまります。
この3つの違いは裾の広がり方。
明確な線引きはありませんが、ベルボトムが最も広く、シューカットは少しだけ広がり、ブーツカットはその中間の広がりで区別されていることが多いです。
「シューカット」は違和感なくコーデに取り入れやすくて、初心者にもおすすめですよ。
スキニーパンツやテーパードパンツはトレンドダウンの傾向にあるため、少しフレアしているだけでも新鮮な印象を作れます。
フレアパンツが似合う人は?
メンズファッションにおいて、フレアパンツはしばらく定番から遠ざかっていたため、流行ってきているものの、「自分に似合うだろうか…?」と悩む方も多いですね。
結論から言うと、フレアパンツは年代やジャンルを問わず、誰にでも似合います。
そして、その中でも特におすすめしたい人は、低身長や、スタイルの悪さにお悩みの方です。
▼165㎝以下のメンズの着こなし例▼
参照元:https://wear.jp/
理由としては、フレアパンツは穿くだけで美脚効果や、脚長効果があるためです。
スタイルを良く見せるためには「顔を小さく見せる」ことが一番ですが、「足を長く見せる」こともスタイルアップに繋がります。
フレアパンツの選び方
ユニクロやGUなどのプチプラブランドでも展開されているフレアパンツ。
どんなアイテムを選んでも失敗はしにくいフレアパンツですが、初めての方が選ぶ際に失敗しにくいポイントを紹介します。
カラー
フレアパンツに限ったことではありませんが、一本目におすすめは「黒」です。
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最も着回し力が高く、何も考えずに履くだけでサマに見せてくれる万能なカラーですね。
黒以外なら、
- 白・グレー
- シックなカラー(ネイビーなど濃色の有彩色)
まずはモノトーンからそろえ、物足りなさを感じてきた方は、主張し過ぎない色にトライしていってみてください。
素材
素材は、
- スラックス
- デニム
この二つが圧倒的な人気です。
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- キレイめでかつ、より万能さを求めるならスラックス
- トレンド性やカジュアルさを演出するならデニム
どちらもおすすめです。
シルエット
美脚効果のあるフレアパンツの魅力を活かしつつ、トレンドの着こなしをするなら、ややワイドなシルエットを選びましょう。
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また、ベルボトムのように裾が極端に大きく広がったシルエットはフェミニンな印象や、個性的になりやすいため、シューカットほどの広がりのアイテムから始めるのがおすすめです。
フレアパンツのおすすめの着こなし方
フレアパンツは、カジュアルからキレイめまでどんなスタイルにも使えるのが魅力。
そのため、まずは普段のボトムスをフレアパンツに変えるだけで、定番のスタイルに差をつけられます。
続いては、その中でも特におすすめのフレアパンツの着こなし方を紹介します。
タックイン
フレアパンツと非常に好相性な着こなしがタックイン。
もともと持っている美脚効果に足長効果も加わり、スタイルアップ効果が抜群です。
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特にシンプルでカジュアルになりやすい春夏コーデに取り入れると差別化ポイントに。
こなれた雰囲気を演出でき、大人っぽいキチンと感も高まりますよ。
ボリュームのあるシューズやブーツと合わせる
簡単にスタイルアップしてくれるボリュームシューズですが、自然と足元の主張が強くなり、いかにも「身長を盛っています」感が出やすい点には注意が必要です。
裾が広がっているフレアパンツはクッションが溜まりにくく、地面ギリギリまでその主張を抑えてくれるため、ナチュラルな印象をキープしたままスタイルアップが可能。
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ハイカットやミドルカットのシューズをはいたときに、裾のもたつきが気になる方にもおすすめですよ。
パンツとシューズを同色にする
フレアパンツのスタイルアップ効果をより高めるために有効な着こなしが、パンツとシューズを同色にすること。
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色をそろえることでパンツとシューズの境界線が分かりにくくなり、足が長く見えます。
特に効果が高いのは、色がつぶれて見えやすい「黒」。
足の長さにコンプレックスがある方や、自信のない方はぜひ取り入れてみてください。
フレパンツを使った旬なメンズコーデ12選
ここからはフレアパンツを使った旬な着こなしを紹介していきます。
自分の好みや、すぐに真似できそうなコーデからぜひトライしてみてくださいね。
春夏コーデ
ステンカラーコート×グリーンシャツ×スニーカー
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スプリングコートを使ったキレイめカジュアルコーデ。
黒のロングコートで重たい印象にならないように、ライトなカラーリングのシャツや白ボトムで春らしい雰囲気を演出しています。
また、足元もスニーカーで軽快な印象に仕上げていますね。
ジャガードストライプ柄カーディガン×白のハイネックT×ドレスシューズ
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柄物のアイテムを取り入れると春夏らしさを感じますね。
主張が強くなる柄物のトップスには、黒ボトムで引き締めるのがベター。
柄でカジュアルさを取り入れつつも、ハイネックや革靴で大人っぽくまとめています。
ロゴスウェット×グリーンスニーカー
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スウェット×ジーンズの、キレイめなカジュアルコーデ。
ダボダボのストリートではなく、フレアデニムで品のあるスタイルに。
ブラック×ダークグレーで重ための色合わせですが、ロゴや裾から見せた白のインナー、スニーカーのソールなど、随所に明るいアクセントを作ることで春らしさを作っていますね。
ドルマンシャツ×白のプリントT×サンダル
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ゆったりしたシルエットのドルマンシャツを使ったリラックスコーデ。
ジャストサイズの半袖シャツは、垢抜けなかったり、おじさんっぽくなりがちですが、しっかりとオーバーサイズにすることでトレンドライクな着こなしに。
白とブルーをベースに色を統一し、爽やかで清潔感のあるスタイルに仕上がっています。
柄シャツ×サンダル
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柄シャツ×カラーパンツで夏モード全開のコーデ。
主張の強いトップスは黒ボトムで引き締めるのがスタンダードですが、あえてカラーパンツを合わせることで差別化しています。
カラーパンツはシャツの色を拾っているので、まとまりのある着こなしになっていますね。
白T×ジレ×グルカサンダル
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夏のTシャツコーデを格上げしてくれるタックイン。
パンツにセンタークリースが入ることで上品見えし、脚長効果も高まります。
また、ジレを加えることでこなれた印象になり、大人っぽい雰囲気も演出してくれますよ。
秋冬コーデ
ブラウンのカーディガン×チェックシャツ×黒スニーカー
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色彩を落ち着かせるだけでも秋らしい雰囲気を演出できますね。
カーディガンは起毛感のあるモヘア混のアイテムを合わせ、カラーだけでなく、素材感でも季節感を高めています。
チェック柄のネルシャツも秋冬定番のアイテムですね!
MA-1×パーカー×白スニーカー×キャップ
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秋冬に定番の、MA-1にパーカーを合わせたコーデ。
ライトグレーとグリーンの色合わせが新鮮で、着丈の短いMA-1を活かした長短差も差別化ポイントですね。
ボトムスにはスラックスを合わせ、カジュアルでも大人っぽくまとまった着こなしです。
ベージュシャツ×アーガイル柄ニットベスト×ドレスシューズ
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羽織るだけでこなれた印象にしてくれる、ニットベストを使ったレイヤードコーデ。
柄を取り入れることで装飾性が豊かになり、個性を加えられ、アーガイル柄が秋冬らしい季節感も演出してくれます。
シューズにはボリュームソールの革靴を合わせ、フレアパンツの脚長効果を高めていますね。
モッズコート×白ニット×ドレスシューズ
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カジュアル化が進む中、ミリタリーやワークアイテムの人気が高まっていますね。
カーキのミリタリーコートを主役に、フレアパンツは同じアースカラーで相性のいいベージュを。
ショルダーバッグでアクセントを作りつつ、足元を黒のブーツでグッと引き締めています。
ダウンジャケット×ロゴスウェット×ブーツ
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少しルーズな雰囲気を残した大人のストリートコーデ。
ダウンジャケット×スウェットと、トップスが非常にカジュアルな合わせなので、ボトムスとシューズでキレイめな印象を作ってバランスを。
また、ロゴやアクセサリーでアクセントや個性を加えていますね。
ダウンコート×ブルーのシャツ×黒のハイネックT×ブーツ
参照元:https://wear.jp/
着回し力や着こなしのしやすさは落ちるものの、穿くだけでコーデを差別化してくれるデザインデニム。
冬はロング系のアウターを羽織ると差別化が難しくなってきますが、フロントを閉めているときでもシルエットやデザインで周りと差をつけてくれます。
難易度の高いダウンコートですが、上品なブーツやレザーバッグでモード感のある着こなしに仕上げていますね。
フレアパンツで人気のブランド5選
最後はフレアパンツでメンズに人気のブランドを紹介していきます。
今はプチプラでも展開されているので、まずはそちらで試してみて、気に入れば少しお金をかけて投資するのもおすすめですよ。
Levi’s(リーバイス)
スタプレ
世界的なジーンズブランドとして長らく愛され続けているリーバイス。
そのリーバイスから展開されているフレアパンツが「STA PRESTA(スタプレスト)」=通称「スタプレ」。
初心者でも取り入れやすい緩やかなフレアで、何回洗濯しても消えないというセンタークリース加工が特徴的です。
素材はコットン65%・ポリエステル35%の丈夫なツイル生地。
シワになりにくいことも大きな魅力で、シンプルなデザインは着回し力にも優れます。
517
リーバイスのフレアデニムで定番のモデルがこちらの「517」。
太もも回りはやや細身、裾はシューカット程度の緩やかな広がりが特徴です。
スケーターからの支持も高く、革靴やブーツはもちろん、ローカットスニーカーとの相性も抜群。
また、こちらはリジッド(生デニム)になっているので、穿きこむほどに味わい深くなる経年変化を楽しめます。
646
リーバイスのもう一つの人気モデルが、70年代に人気を博した「646」。
「517」と比べて裾の広がりが大きく、よりフレア感を楽しめる一本になっています。
現在新品での展開は無いため、古着やデッドストック・フリマサイトなどで探す必要があります。
Wrangler(ラングラー)
前述のリーバイスと並び、アメリカの三代ジーンズブランドの一つとして有名なラングラー。
カウボーイのドレスアップ用ジーンズとして開発されたのがこの「ランチャードレス」です。
やや細身のシルエットに、広がりすぎないシューカットは初心者にもおすすめ。
素材はポリエステル100%のストレッチツイルを採用しており、ワークパンツでありながらセンタークリース入りで上品見えする一本です。
Dickies(ディッキーズ)
アメリカ発のワークウエアブランドとして人気のディッキーズ。
ブランドの定番モデルである「874」と同じ素材を使用したフレアパンツ。
ポリエステル・コットンのT/Cツイル生地になっており、丈夫で汚れにくく、洗いざらしでガシガシと穿けます。
シルエットはやや細身でもゆとりのあるシルエットで、広がり過ぎないフレアはコーデに取り入れやすいですよ。
MAISON SPECIAL(メゾンスペシャル)
メゾンスペシャルは、ロンハーマンや、カナダグースを運営しているサザビーリーグが展開しているアパレルブランド。
高品質かつ、高いデザイン性が特徴で、コスパの高さに定評があります。
人を選ぶアイテムが多いメゾンスペシャルですが、こちらのフレアパンツは誰でも取り入れやすいシルエット・デザインになっています。
スタプレを手本としており、シワになりにくい生地や消えにくいセンタークリース、耐久性の高い素材感など、実用性と機能性に優れた仕上がりですよ。
HARE(ハレ)
ハレは、「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」や、「niko and…(ニコアンド)」を展開するアダストリアが運営するファッションブランド。
トレンド感の高い攻めたシルエットやデザインのアイテムが多く、手軽にモードなスタイルを楽しめます。
旬な着こなしを演出するバギーフレアのパンツ。
一から作成したこだわりの生地(ポリエステル70%・レーヨン26%・ポリウレタン4%)は柔らかく、高級感のある表情に。
また、センタープレス入りなので、しっかりワイドでも上品見えする一本です。
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まとめ
1960〜70年に大流行し、メンズファッションにおいてはしばらく下火になっていたフレアパンツですが、今回のトレンドを機に、定番アイテムとして定着する可能性は十分にあります。
現にレディースファッションでは、定番シルエットの一つとして流行り・廃りなく愛され続けていますね。
新しいアイテムを取り入れることに抵抗を感じる方も多いですが、着こなし方法をしっかりと押さえ、旬な着こなしを楽しんでください。
今回は【メンズのフレアパンツの入門】選び方から旬なコーデまで紹介しました。