カウチンニット(セーター)は着るだけで存在感を表現できるアイテム。
季節感のあるデザインが特徴的で、一般的にはカジュアルなコーデに合わせやすいですね。
もちろんアイテムによってはカジュアル以外にも表現できますが、そんなコーデのパターンが選べるカウチンニットの着こなしのコツをご存じですか?
今回は、カウチンニット(カウチンセーター)とは?メンズコーデのコツやおしゃれな着こなしを紹介します。
この記事のライター
<資格>
・ファッションデザイナー・服飾士
カウチンニットとは?
カウチンニットを着こなす上で、まずはカウチンニットの特徴や魅力を知るところからスタートしましょう。
それではカウチンニットについて解説していきます。
カウチンニットとは?
カウチンニットとは、カナダのバンクーバー島周辺に住んでいた先住民族である「カウチン族」が作ったニットセーターのこと。
参照元:https://retore-kaitori.net/
「カウチン」とは、先住民の言葉で「温かい土地」という意味があり、カウチンニットは狩りに行く際に着ていたものが発祥と言われています。
素材は脱色や染色をしていない羊毛を使用しているため、グレーや茶色、アイボリーなど羊毛本来の色味をしているのも大きな特徴。
また、狩猟時に必要になる「防寒性」や「防水性」を上げるため、アメリカ杉の皮繊維を混紡して雨を弾き、太めの毛糸を厚く編むことで防寒性を高めています。
しかし、ファッションとして実用性を高めるために、現在の市場に流通しているアイテムは化学繊維や脱脂済みの羊毛を使っているカウチンニットがほとんどになりますよ。
カウチンニットの柄
カウチンニットに編み込まれたデザインにも実は意味があります。
カウチン族は自然と共に暮らしていたため、彼らを取り巻く環境の「雪の結晶」「鷲(わし)」「杉」「トナカイ」「シャチ」などがモチーフに。
ただ、近年ではスカルなどを使ったカウチン風のニットもあり、ブランド独自のアレンジが加えられたアイテムも多く展開されていますよ。
カウチンとノルディック柄の違いは?
続いてはカウチンニットとノルディック柄の違いを紹介します。
似ている部分が多くあるので簡単に紹介します。
カウチンとノルディック柄の違いを紹介
カウチン
カウチンとは、カナダのバンクーバー島周辺に住んでいた先住民族が作ったことから「カウチンニット」と呼ばれています。
カナダのメイプルリーフと並ぶ伝統的な柄ですね。
狩猟時に着ていたことと、素材が太い糸で作られていることから、防寒・防水性に優れ、動物などの自然に関連する模様や、幾何学的なデザインが特徴です。
ノルディック柄
参照元:https://jp.mercari.com/
ノルディック柄は、北欧ノルウェーの伝統的なトラッドな模様。
寒い北欧をイメージした雪や雪の結晶、トナカイなどの幾何学模様なデザインが多いですね。
カナダ同様に寒い地域でもあるので、全体に編み込み模様を入れて厚手に仕上げられています。
また、画像のように首を中心に円を描いた「求心柄(きゅうしんがら)」のデザインが多いのもノルディック柄の特徴ですよ。
- 出身国の違い(カウチンはカナダ。ノルディックはノルウェー。)
- 模様の違い(カウチンはカナダで取り巻く環境の動物が多く、ノルディックは雪の結晶やトナカイなどが一般的。)
カウチンニットのメンズコーデのコツは?
カウチンニットのコーデは「少し難しい」と感じる方も多いと思いますが、デザインがしっかりしているので、コツさえつかめば簡単におしゃれなコーデができます。
それでは続いてカウチンニットのメンズコーデのコツを紹介します。
コツ①:チノパンと合わせる
参照元:https://wear.jp/
カウチンニットは、デザインの特徴からアメカジ風コーデが定番の着こなし。
画像の様に、チノパンと合わせるだけで大人の落ち着いたアメカジスタイルができます。
より大人っぽく仕上げたい場合は、パンツは細過ぎないスリムなシルエットがおすすめ。
コツ②:デニムパンツと合わせる
コツ①でもご説明通り、カウチンニットはアメカジスタイルと相性が良いため、画像の様にデニムパンツと合わせたカジュアルコーデにもピッタリ。
参照元:https://wear.jp/
画像はリメイクデニムを合わせてより個性的に仕上げていますが、カラーが濃いめのパンツを合わせることで、大人度も上げられますよ。
足元はドレスシューズでキレイめな雰囲気プラスすることもおすすめです。
コツ③:ニット帽と合わせる
参照元:https://wear.jp/
画像の様にコーデュロイパンツと合わせたカジュアルなコーデに、ニット帽を合わせることでおしゃれ度がアップします。
ブラウン系で統一し、落ち着いた大人の雰囲気を演出。
カウチンニットにニット帽のコーデは定番で、より季節感のあるスタイルに仕上がります。
コツ④:モノトーンで統一する
参照元:https://wear.jp/
大人っぽい雰囲気はカラーバランスでも作れます。
白・黒のモノトーンは、冠婚葬祭でも使われるカラーで、コーデをフォーマルな雰囲気にしてくれますよ。
カウチンニットのデザインがよく映え、コーデの良いアクセントになっていますね。
コツ⑤:ハットと合わせる
参照元:https://wear.jp/
大人っぽい着こなしにしたい方は「ハット」と合わせた着こなしもおすすめ。
フォーマルな雰囲気の強い中折れハットでも良いですが、トレンドはバケットハット。
アウトドア由来のアイテムでカジュアルなイメージもありますが、「黒」を選んであげれば大人っぽい雰囲気を作ってくれますよ。
コツ⑥:キレイめアイテムと合わせる
カウチンニットはカジュアル感が強く存在感も強いアイテム。
しかし、そのデザイン性を活かしつつ、キレイめなアイテムと合わせることで全体のバランスが取れ、絶妙な抜け感を演出できます。
参照元:https://wear.jp/
画像の様にシャツや革靴にカウチンニットを合わせれば、程よくカジュアルダウンさせて大人スタイルに仕上げられますね。
キレイめに仕上げたい場合は、黒や白・グレーなどのモノトーンか、ネイビーなどのシックなカラーがベースになっているカウチンニットを選ぶと良いですよ。
コツ⑦:シンプルに合わせる
参照元:https://wear.jp/
カウチンニットは厚手素材で仕上がっているので十分に暖かく過ごせ、インナーは薄手でも十分。
画像の様に白色のカットソーといったシンプルな無地のデザインを選ぶことで、自然とカウチンニットを主役にさせるコーデができます。
主張が強いカウチンニットは、無地のアイテムと合わせると失敗しにくいですよ。
コツ⑧フレアパンツと合わせる
メンズでも再度定番として落ち着いた「フレアパンツ」とのコーデもおすすめ。
参照元:https://wear.jp/
履くだけで
- トレンド性
- 美脚・脚長効果でスタイルアップ
簡単にオシャレに見せるための要素を2つ加えられます。
まだ持っていない方は、1本持っておくとコーデの幅を広げてくれますよ。
メンズにおすすめのカウチンニット5選
着こなしが分かれば何も怖くありませんよね。
後はお気に入りのカウチンニットがあるのか…?
そこで最後はメンズにおすすめのカウチンニットを紹介します。
ぜひチェックしてみてください。
kanata(カナタ)
「カウチンニットと言えば」必ず名前が上がると言って良いカナタ。
カナダの伝統的なニットを現代に発展させたニットブランドです。
代表的なデザインである「イーグル」が主役として描かれたベーシックで本格的なカウチンニット。
シンプルなデザインだからこそ、トレンドに左右されず長く利用ができます。
落ち着いたカラーにカウチンニットらしさが表現されていて、大人の風格が演出できる一着ですね。
Schott(ショット)
1913年にアメリカで創業されたショットは、レザー製品をメインに高品質なアイテムを展開しているブランドです。
黒をベースに派手すぎない大人メンズにもおすすめのカウチンニット。
素材はウールをベースとしたニットになっており、肉厚の生地は高い保温性を誇ります。
フロントジップで着脱もしやすく、着回しもしやすい一着ですね。
60’ヴィンテージカウチンニット
ヴィンテージ風ではなく60’ヴィンテージカウチンニットなので、まさに本物ですね。
約60年以上前にできたカウチンニットは、着るだけで大人の渋みを演出できます。
アメカジスタイルを追及するメンズにおすすめのアイテムですね。
Canadian Sweater Company(カナディアンセーターカンパニー)
カナディアンセーターカンパニーは、名前の通りですが、1977年にカナダで創立されたニットウエアブランドです。
ブランドで定番人気のカウチンニット。
ウール100%の極太の毛糸で編み込んであるしっかりとした生地が特徴です。
豊富なサイズ展開も嬉しいポイントですね。
granted(グランテッド)
1978年の創立した当初からカウチンニットを作り続けている本格派のグランテッド。
フロントはクラシカルで定番のデザインで、バックは遊び心あるモダンなデザインで仕上がったカウチンニットですね!
ブルーが爽やかで、寒色ですがニットの温もりのある素材感で季節感を損なうことがありません。
毛糸は肉厚なウールを100%使用し、ハンドメイドで編み上げられたこだわりの一着ですよ。
まとめ
いかがでしたか?
どんなアイテムもルーツや着こなし方法を知ると、つい愛着が湧きコーデに取り入れたくなりませんか?
大人の落ち着いた雰囲気を演出できるカウチンニットを、ぜひコーデに取り入れてみてください。
今回は、カウチンニット(カウチンセーター)とは?メンズコーデのコツやおしゃれな着こなしを紹介しました。